
『歪の華』の立ち上げの時点から所属する『キョンシー』の女性であり、『歪の華』の長女的な存在。キョンシーになる前の本来の種族は『夜叉族』。
冷静で落ち着いた性格だが、面倒見がいい。
『歪の華』での番号は『NO.壱番』。象徴の花は『ヒガンバナ』。
本名は『ヒガレ=シザキ』
彼女の種族である夜叉族は鬼族を取りまとめる8大貴族のうちの一つである。
そんな貴族出身の彼女だったが、残酷ながらキョンシーとして戦争のために戦い続ける人形となる。
夜叉族の魔法は、躯のようなゴーレムを複数体生み出して、自在に操る魔法である。
この魔法の特徴は、遅延なしの連携攻撃を実現することができる能力である。
歪の華のリーダーであり、研究者だった『アオイ=イトスギ』とは、この魔法が切っ掛けで出会う事になる。
当時、空想皇国では戦争を行う上で、人員不足による戦力ないし国力自体の低下が問題になっており、それを補う手段の確保が急務とされていた。
夜叉族の魔法とは、まさに空想皇国が求める戦力の補填の解答の一つに近いものであり、そういった経緯でヒガレは、研究者として有望視されていたアオイの護衛役と研究の参考対象として、引き合わされる事になった。
ヒガレは研究熱心なアオイの姿に心を打たれて、国からの命令ではなく、自分の意志でアオイと共にいる事を誓う。
しかし、想いや努力も空しく、研究成果を上げられずにいた二人は、トウゴウ率いる研究チームと共同で研究を開始する。
研究から二ヵ月が過ぎた頃、ついに一つの研究成果を上げる直前まで辿り着くも、研究素体が暴走して、アオイを守るために戦ったヒガレは致命傷を受けて死んでしまう。
ヒガレを失いたくなかったアオイは自分の持てる技術の全てを注ぎ込み、彼女を再び蘇らせる事に成功はしたが、しかし、蘇ったのは心の無い空っぽの人形としてのヒガレであった。
不本意な形とは言え、一つの成果を上げてしまったアオイは、人形となったヒガレと共に歪の華を立ち上げる事になった。
試作体でもある妃枯は、他の歪の華のメンバーの身体より複雑な調整がされている。
一見、複雑な調整といえば能力値が高そうに聞こえるが、妃枯の場合は、確立できていない技術で闇雲に完成させた結果、複雑になってしまったもので、絶妙な術式のバランスで成り立っているため慎重な調整が必要になってしまっている。まさに歪の華の象徴ともいえる。
左の角から左目にかけて、研究素体の攻撃で抉られたため、現在は左目には術式を仕込んだ義眼が取り付けられている。