
世界の持っている魔力が結晶化したものであり、純粋な魔力の塊と言っていい。
この世界では、術式でクリスタルの魔力を灯りなどに変換して使用してきた。
現在では術式機械などの燃料として多く扱われており、生活に欠かせないものとなっている。
クリスタルには魔力の属性と同じ数の六つの種類があり、火、水、風、地、闇、無のクリスタルはそれぞれその性質に関係する。
火属性ならば火山や砂漠と言った属性に関連があり、その魔力の濃度が濃い場所に生成される。火属性は暖や明り、水属性は冷却、水の生成などに向いているなど、クリスタルは属性によって利用方法も異なる場合が多い。
ただ術式機械によっては、違う属性のクリスタルであっても同じ効果を発揮できるものがあるが、適当でないクリスタルではどうしても効率面は低下してしまう。
クリスタルは、地域毎の需要が違うため、クリスタルが通過に近い形で取引されるこの世界では、街毎や場所でクリスタルの値段が大きく変動する。
また属性だけでなくクリスタルの純度は様々で、道端に転がっている低品質なものから、高額で取引されるものもある。中でも永久(レア)クリスタルと呼ばれるものは、貴重なものである。
クリスタルは魔力が結晶化したものであり、その魔力を放出、抽出するれば、氷のように次第に小さくなって、いつかは消滅してしまうものである。
しかし、永久クリスタルはまるで自ら魔力を生み出すかのように半永久的に魔力を放出し続けるのである。無理な抽出を行うと割れたり使いものにならなくなるが、放出される魔力を使用する分には、半永久的に安定して魔力を得られると言われている。
属性毎のクリスタルの特徴と仕様用途
『火のクリスタル』
赤色や橙色をしている。
触るとほんのりと暖かいのが特徴で、主に火山や砂漠などで採取される。
光や熱や炎に変換され、照明、調理、暖に使われる事が多く、特に照明や調理には地域を問わず必要とされるため、その需要は高く、また空想皇国などの涼しい地域では特に重宝されている。
『水のクリスタル』
青色や水色をしている。
触ると少しひんやりしているのが特徴で、主に湖や海、滝などの水辺で採取される。
水や氷、治療薬として使われ、一般的に食料品の保存のために使われる事が多い。
水の少ない熱い地域では必需品となるため、場所によっては非常に高く取引されている。
『風のクリスタル』
緑色や黄緑色をしている。
電気に変換されたり、術式機械の動力、推進剤や送風機として使われ、渓谷や草原など風が吹く場所で採取される。また雷が落ちた場所や竜巻が起きた後の場所では純度の高い風クリスタルが手に入る。
術式機械が発達するまでは、あまり需要がなく比較的安値で取引されていたが、術式機械が世に出回ったことで頻繁に取引されるようになった。
『地のクリスタル』
黄色や茶色をしている。
主に鉱山や密林で採取され、鉄などを強化するなど、製錬所や建造の際には無くてはならないクリスタルで、一番活躍する場は街などを覆う結界である。
専門分野では必需品だが、一般生活では直接必要としない傾向がある。
『闇のクリスタル』
紫色や黒色をしている。
暗い場所や毒性の物質が生成される場所で採取できる。
生活の上で発生するゴミなどを分解するなどで使われる事が多く、その他では、破砕作業などで使われる事もある。
比較的どの地域でも採取が可能で、用途も限られているので、比較的安値で取引されている。
『無のクリスタル』
無色のクリスタル。
術式の構築の際に使われる他、比較的なんにでも変換ができる事から万能なクリスタルであり、荒野などで採取できるが、大量に手に入れるのが難しいのがこのクリスタルである。