Ranne -warp flower-
これは”蘭音”と彼女が所属していた”歪の華”の物語である。
妄想王国から北東に位置する空想皇国。一年を通してみても暑くならないその地域は、冬の季節ともなれば積雪の多い国である。
この厳しい季節変化の影響から、あまり裕福な土地ではないこの国では、夏場の農業の効率化、冬場の外出できない時間の活用方法の一つとして、暮らしを少しでも楽にするためにと、他国と比べて多く魔法による術式の研究が行われ、発展する事になった。
そして、術式技術の発達は戦乱の時代を迎えると共に、自然と戦争のための兵器や道具として利用され、さらに発展していく事なる。
空想皇国の国力そのものは弱かったが、他国間の戦争の裏での暗躍と侵略に対する防衛力の高さから、ゆっくりとその勢力を拡大していく。
そのどちらも、空想皇国の高い術式技術がもたらした結果だったが、時代が進むにつれて、より高度で効率的な――戦争に勝つための技術が求められるようになり、術式技術が非人道的なものに及ぶのも必然だった。
それは一瞬にして敵を大量に殺す事を目的とした武器や兵器の開発だけではなく、自国の戦力の強化としての魔物を新しく生み出す生物研究や、兵士そのものに改造を施す人体実験にまで及んだ。
そして、そんな研究の一つから生まれた組織が”歪の華”である。
人の身体を媒体とした術式兵器として生まれ変わった少女達は、少数でありながら、数々の戦場で高い戦果を挙げる事となるが……。
まずはそう――歪の華の少女達を生み出した1人の研究者”アオイ=イトスギ”の事から語り出そう。
