Eltofeena -lost queen-
幻想帝国ナイトメアの中央にそびえる黒き城エネロハイル。
その日、黒き城の城内は騒然としていた……。

女王エルトフィーナに反旗を翻したゼルグスム=バゼル率いる革命軍によって、女王の城であるエネロハイルが襲撃されていた。
エルトフィーナを独裁者とし、彼女に不満を持ち立ち上がった幻想帝国の市民達――そんな者達で構成された革命軍には大きな勢いがあった。
ただただ、国の繁栄を目指したエルトフィーナの方針は、時として攻撃的であり、多くの戦いを生んできた――国の繁栄のために戦争を行い、その戦争に勝利してきたとはいえ、戦いによって犠牲になった者は大勢いる。そうして犠牲となった者を――愛した人々を戦争で失った国民達の心には……少しずつだが確実に国に対する、女王に対する不満というものが蓄積されていた。
幻想帝國が他国の上に立つほどの繁栄を迎えると、繁栄という理想で前に向かっていた国民達の意識は落ち着いていき、その意識は自分達の生活や国へと移って行った。
今までエルトフィーナは、その国民達の不満が芽を出す前に処理していた……国民の不満の声を聞き叶える事で、それでもダメならば力の行使によって。
――しかし、それも限界だったのかもしれない。
エルトフィーナという存在に、国民達全員が直接触れ、彼女という人柄を知る事ができたならば、きっとこのような結果にはならなかったのだろう――だがそんな事は不可能であり、国民達は虚構の女王の姿を少しずつ作り出していった。
そしてこの日――ゼルグスム=バゼルが行動を起こした事によって、ダムが崩壊するように革命と言う名の反乱が起きたのだ。
繁栄の為に、国民の為にと――ひたすらに女王を勤めるエルトフィーナの姿に忠誠を誓い、命がけで彼女を守ろうとする帝國軍と、女王を悪としてその手から国を解放しようと攻め込む革命軍の戦いである。